升田幸三 番外編「名人に香車を引いた棋士」
升田幸三は少年時代、「名人に香車を引いて勝つ」という大志を抱いていた。木村義雄を半香に追い込むも、対局拒否を行い実現しなかった大願成就。それから時を経て、弟弟子の大山名人相手に“香落ち”で勝利を収めた瞬間、感無量の思いが込み上げる。
升田幸三は少年時代、「名人に香車を引いて勝つ」という大志を抱いていた。木村義雄を半香に追い込むも、対局拒否を行い実現しなかった大願成就。それから時を経て、弟弟子の大山名人相手に“香落ち”で勝利を収めた瞬間、感無量の思いが込み上げる。
「新手一生」を標榜し、革新的戦法の地平を切り拓いた升田幸三。そんな彼は「高野山の決戦」で宿命の弟弟子・大山康晴に敗れ、屈辱の日々を送る。しかし見事に復活し、将棋界初となる三冠王に輝いた。そして、「たどり来て未だ山麓」の名言を残しもした。
1990年代後半、世界最強と称されたサッカー・オランダ代表。柔らかいボールタッチと流れるようなパスワークが持ち味のオランダにあって、90分間走り続けたのが“闘犬”エドガー・ダービッツである。ほとばしる闘志でチームに献身した姿が懐かしい。
藤井八冠が誕生し、ひときわ盛り上がりを見せる将棋界。その偉業に際し、思い出すのは羽生善治の七冠制覇であり、全盛時代の彼もまた驚異的な強さを誇示していた。“羽生マジック“をはじめとする、往時の羽生永世七冠の強さの源泉を考察する。
タイトル戦をはじめとする棋戦解説を動画にアップする将棋ユーチューバー。中でも、個人的に最も好きなのは元奨励会員のアユムさんである。級位者にも分かりやすい丁寧な解説に定評のあるアユムさんだが、祖父が繋いだ将棋との縁など感動秘話が存在した。
1960年代前半、“闇から現れたボクサー”ソニー・リストンは史上最強と称された。身長185㎝体重約100㎏の筋骨隆々とした体躯に、213㎝を誇るリーチと38㎝にも及ぶ拳囲で並みいる猛者達をなぎ倒す。だが、彼の前にモハメド・アリが現れた。
皐月賞とダービー、同一年の天皇賞春秋連覇など輝かしい実績を残したメイショウサムソン。その名馬には、派手さはないが共にゴールを目指すかけがえのない鞍上がいた。石橋守とメイショウサムソンの雑草コンビは、ターフで人馬一体を具現化してみせた。
クライフやベルカンプなど多彩なタレントを輩出するサッカー大国オランダで、最も優れたストライカーをあげるならマルコ・ファン・バステン一択となるだろう。旧約聖書の天地創造になぞらえた「サンシーロの羽」の英雄譚は、未来永劫語り継がれていく。
ユニークな口笛が印象に残るテーマ曲。それはピーター・フォーク主演「刑事コロンボ」が始まるファンファーレだ。この名作はピーター・フォークに加え、吹き替え役の小池朝雄が秀逸であり、二人による絶妙なハーモニーが作品に深い味わいをもたらした。
90年代の個人的最強ランナー、それは男子800mの元世界記録保持者ウィルソン・キプケテルである。国籍取得の問題で出場できなかったアトランタ大会等、五輪では無冠に終わる。だが、 “悲運の王者”の高潔な精神は記録以上に称賛されるべきものだった。