50歳の新人、先生になる 第5回「生徒への感謝」





これは50歳にして、これまで未経験の塾講師を志したアラフィフ中年の体験談です。

講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。

あくまでも、しがない素浪人が独断と偏見で書き連ねたものなので、気楽に読んでいただけたら幸いです。

不安要素

塾講師を始めるにあたり、如何せんブランクが長いことも手伝って学力的な面での不安は多少ありました。
ですが、それ以上に課題に感じていたのは、果たして子ども達と円滑なコミュニケーションを図れるかということでした。
私は明るい性格ではないですが冗談好きなこともあり、大人とのコミュニケーションはそれほど問題ありません。
また、以前少しだけ子どもと関わりを持った経験から、小学生男子は大丈夫だろうと踏んでいました。

問題は思春期を迎えた中学生と小学生の中でも女生徒です。
低学年の小学女子は無邪気なこともあり、まだ何とかなると思っていました。
男子も中学生ぐらいになると見ず知らずの大人相手には口数が減るでしょうが、同じ男同士ということもありギリギリ対応できそうです。

しかし、女生徒は最難関に感じていました。
アラフィフの中年男、しかもイケおじとはほど遠い素浪人風の私は、どう考えても年頃の娘に好かれるとは思えません。
生理的に受け付けないなんてことになれば、至近距離で接する個別授業が成り立つ由もないでしょう。

性格美人に救われる

そんなある日、講師稼業を始めて間もない私は中3の女生徒を受け持ちます。
上記のような理由から不安はありましたが、老若男女関係なく壁を作らず話せることもあり、そこまで緊張することなく授業に向かいました。

その子はメチャメチャ明るい性格で、それに輪をかけて感じが良い生徒でした。
人見知りもしないうえ、おじさんの拙いジョークにも笑いが止まらない有り難い生徒です。
すぐに誰とでも打ち解ける彼女のおかけで、とても楽しく授業を進めることができました。

早い段階で彼女のような生徒を受け持てたことは、初心者の私にとって僥倖でした。
なぜならば、そうした成功体験によりアラフィフの中年男でも、普通にコミュニケーションが取れれば受け入れてもらえる目処がたったからです。

それどころか、実際に授業を受け持ってみて分かったのは、しっかりとしたコミュニケーションを取れるのは男子中学生よりも女子中学生の方が多いことです。
よく中高年になると圧倒的に女性の方がコミュ力が高いと聞きますが、それは10代でも変わりません。
つくづく先入観は悪だと痛感させられました。

それもこれも、まだ不慣れな時期に彼女のような性格美人に自信をつけさせてもらえたことが大きかったと思います。
彼女にはただ感謝です。

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