50歳の新人、先生になる 第13回「数学が苦手な子ども達」② – 証明問題





これは50歳にして、これまで未経験の塾講師を志したアラフィフの体験談です。

講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。

当記事が塾講師として奮闘している方や、子を持つ親御さん達の一助になれば幸いです。

厄介な証明問題

私が若ければ学生時代に苦労したことを克明に思い出せるのでしょうが、如何せん年齢も年齢だけに朧にしか覚えていません。
ですが、実際に問題を解いてみることにより、苦労するポイントは共有できるのです。

相似や合同の証明問題において、三角形の角を書く順番(∠ABC等)は苦労します。
証明する2つの三角形の角は、対応するもの同士きちんと順番どおりに書かなければならないからです。
しかも、証明で用いる記述方法は中学生には馴染みが無く、ただでさえ厄介だというのに…。

私も塾講師を始めるにあたり数十年ぶりに問題を解き、上記のことには苦心させられました。
そのうち頭がこんがらがり、解けるはずの問題にも悪戦苦闘します。

ヒントとは

ですが、あるとき気が付きました。
実は、ヒントは問題文に隠されているのだと。

たとえば“△ABCと△DEFについて合同であることを証明せよ”という問題があったとしましょう。

ほとんどの生徒は図を見ながら対応する角を探し、順番を間違わないよう神経を擦り減らしながら解いていきます。
ですが、実は対応する角さえ分かれば機械的に当て嵌めればよく、かなり負担が軽減できるのです。

上記例題の場合、∠ACBと対応する角は∠DFEと書きますが、まず問題文をよく見てください。
△ABCと△DEFと記載されているので「AとD」、「BとE」、「CとF」が対応することになります。
∠ACBは、基準となる△ABCの記載順からBとCを入れ替えています。
なので、対応する角も同様に△DEFの順番からEとFを入れ替え∠DFEとすればよいのです。

あるいはABCを数字の順番で表し「123」とすれば、対応するDEFも「123」となります。
∠ACBならば数字の順番は「132」となり、対応する角も「132」と同様に書くため∠DFEとなるのです。

文章で書くと少し分かりづらいかもしれませんが、最初にどの三角形と三角形を証明するかが記載されていれば、それに注目し書く順番を対応させるのです。
これさえ知っておけば、必要以上に時間と脳のスタミナを消費することなく、システマティックに解くことができるでしょう。

実際、この方法を生徒に伝えると、かなり楽になったと好評です。

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