50歳の新人、先生になる 第14回「数学が苦手な子ども達」③ – 相似





これは50歳にして、これまで未経験の塾講師を志したアラフィフの体験談です。

講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。

当記事が塾講師として奮闘している方や、子を持つ親御さん達の一助になれば幸いです。

相似

相似は中3になって学習する単元であり、これまた厄介な代物です。

図形を複雑に散りばめて容易に相似な関係を絞らせず、10代には全く馴染みのない証明という記述方式まで強いられるのですから。
だからこそ、分かる箇所はしっかりとマスターしたいところです。

ほとんどの生徒は、相似比自体は理解できるでしょう。
ですが、面積比になった途端、怪しくなる者が現れます。

苦戦する理由

これは、一体なぜなのでしょうか。
私が考えるに、きちんと順を追って説明しない、つまり言葉足らずだからではないでしょうか。
中学数学の相似は、三角形に関する問題がメインです。
にもかかわらず、対応する辺と同様に高さも同じ相似比になることには触れられません。
数学が苦手な子どもは一つひとつの事柄は理解できても、それを繋ぎ合わせ応用することが難しいのです。

上記で言えば、三角形の面積の求め方は知っています。
相似な図形は、対応する辺の比が同じになることも分かるでしょう。
ですが、この2つをリンクさせ、底辺だけでなく高さの比も同じになることが結びつきません。
いや、数学が苦手でなくても、目に見える形で明示しなければイメージできないのは当然です。
分かっている者には当たり前のことでも、初見の者にとっては未知の領域だということを指導する者は忘れてはなりません。

思えば、私が学生時代のときも、高さの相似比について説明された記憶がありません。
なので、単細胞な私は深く考えず、何となくそういうモノとして暗記したのでしょう。
当塾のテキストにも、面積は相似比の2乗、体積は相似比の3乗としか記載されていません。
全てに目を通した訳ではありませんが、市販の参考書でも高さに言及しているものは多くないでしょう。

これでは理解に不可欠なイメージさせることに繋がりません。
せめて、注釈でもよいので記しておけば、スムーズな理解の一助になると思うのですが。

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