50歳の新人、先生になる 第10回「誤った初期対応」





本記事は、これまで凡庸な勤め人だった中年男性が50歳を機に、未経験の塾講師を志した体験談です。

講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。

50歳の新人として再出発を果たします。

何不自由なく育った生徒

今回は、己の未熟さが招いた失敗談です。

小学生、特に低学年の子どもはとにかく集中力が続きません。
すぐにノートにお絵描きを始めたり、雑談に花を咲かせたりします。
この程度なら可愛いものですが、中にはとんでもない勘違いをした子どももいるのです。
子どもは無邪気で可愛らしく、人によっては天使になぞらえますが、その実、無分別なので悪魔にも変身します。

私が受け持った低学年の女の子は裕福な家庭に生まれ、何不自由なく暮らしているようです。
なので、そこまで下品な感じはありませんが、気位の高さが隠しきれない生徒でした。
まるで女王陛下のような物言いをし、大人を舐めた態度を取ることも日常茶飯事です。

私のことも先生とは一度も呼ばず、常に“あなた”呼ばわりです。
年端もいかぬ子どもが親よりも年上の講師相手に“あなた”呼ばわりすることからも、いかに甘やかされ、きちんとした躾をされていないかが分かるのではないでしょうか。

苦い蹉跌

とはいうものの、あどけなさが残り、どこかユーモラスな雰囲気も持つ彼女に特段イヤな気分もしなかったので、注意をしませんでした。
私の失敗は、目上の者に対しての非礼を放置したことです。

日を追うごとに、上から目線がエスカレートしていきました。
きっと、“あなた”と呼ぶうちに自分の方が偉くなったと勘違いしたのでしょう。
子どもは許されると思った途端、どこまでも調子に乗り、とことん舐めた態度を取ってくる生き物です(これは大人も同じかもしれませんね)。

そうなると、なかなか授業中の私語も収まらず、やりたい放題が悪化しました。
これはひとえに、なぁなぁな態度を取った私に責任があります。
こうなっては、厳しく叱らなければ改善は見込めません。

ですが、甘やかされ放題の彼女には、厳しい叱責を受け止める忍耐力などないでしょう。
そして、幼い子どもは一度嫌になると、塾に行くことを拒否するようになります。
こうなると塾としては大打撃を被るわけで、経営者としては最も避けたいストーリーです。
まさに悪循環の極みですね。
個人的にはたとえ退塾に至っても、行き過ぎた態度には毅然とした態度で接することが必要だと思うのですが、現実はそうもいかないらしいのです。

親しき仲にも礼儀ありといいます。
講師と生徒の立場をわきまえ、一線を越えぬケジメある態度を取ることの重要性を痛感させられました。

仲良し小好しだけでは、塾講師は務まらないのです。

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