50歳の新人、先生になる 第9回「生徒への感謝」part2





これは50歳にして、これまで未経験の塾講師を志したアラフィフ中年の体験談です。

講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。

当記事が塾講師として奮闘している方や子を持つ親御さん、新しい挑戦に興味がある方の一助になれば幸いです。

爽やかな少年

以前、当ブログで紹介した中学3年の女の子以外にも、助けられた生徒はいます。
その子もまた、講師になって間もない時期に出会いました。

彼は高学年の小学生で、スポーツが得意な少年でした。
スポーツマンだけあってなかなかのイケメンであり、爽やかな甘いマスクは女子にも人気がありそうです。
しかも、ただハンサムなだけでなく、何ともいえぬ優しげな空気も纏っています。
実際に話してみると、性格の良さが窺える穏やかな口調でした。

ただ、問題が無かったわけではありません。
当時の私は小学生をほとんど受け持ったことがなく、マニュアルは渡されていましたが、どうやら実際に行う授業内容とは必ずしも一致してない様子だったのです。

さて、どうしたものか…。
先生という権威をかさにハッタリを用いて授業を行う手もあるでしょうが、それは私好みではありません。
なので、恥を忍んで普段どうやって授業をしているのか聞きながら進めることにしました。
まさか40歳も年下の子どもに教わることになろうとは(苦笑)。

しかしながら、このやり方にはリスクもあります。
子どもはダメ講師のレッテルを貼った途端、舐めた態度を取りかねないからです。
ですが、その子は微塵も馬鹿にする素振りなど見せず、親切丁寧に教えてくれました。
まったく…これではどちらが先生か分かりませんね(汗)。

とはいえ、おかげさまで無事授業を終えることができました。
それどころか逆に勇気をもらえ、とても楽しい時間を過ごさせてもらったのです。

私はその瞬間、彼の善意に心から感謝しました。
と同時に、その子は当然として、なぜか子ども達へ大きな借りができた気がしたのです。
私にとって彼は、今でも恩人だと思っています。

塾講師の醍醐味。
それは素晴らしき若者、素晴らしき生徒との得難い出会いでしょう。

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