本稿は50歳にして、これまで未経験の塾講師を志したアラフィフの体験談です。
講師として子ども達と関わる中で、気付いたことや所感を述べていこうと思います。
今回は英語の中でも難しい関係代名詞についてです。
関係代名詞
中学3年生になると、数学もさることながら英語も一気に難しくなります。
現在完了、現在分詞や過去分詞の用法など、英語が不得意な生徒にとって受難が続きます。
特に、困難を極めるものの代表が関係代名詞ではないでしょうか。
これはwhoなどを用い、前の名詞を修飾する文法です。
しかも接続詞と代名詞の性質を併せもつ、中学生にとっては理解不能な構造になっているのですから、分からないのも無理はありません。
では、どう理解すればよいのでしょうか。
例文を見て行きます。
He is a boy.(彼は少年です。)
The boy likes tennis.(その少年はテニスが好きです。)
この二つの文章を読むと「彼は少年であり、その少年はテニスが好き」なことがわかります。
そして、共通するのが“少年(boy)”です。
これを一文にすると「彼はテニスが好きな少年です」となるので、関係代名詞を使って文章化してみます。
He is a boy /「who」likes tennis.
“彼は少年です→どんな?→テニスが好きな”といった構造となります。
/から後ろの部分で「who」は、意味的には「a boy」になります。
しかし、“He is a boy「a boy」likes tennis.”では英語として成立しません。
なぜならば、一文の中に何の工夫もなく二つの文章が書かれているからです。
では、どうするか。
接続詞を使って前と後ろの文章を繋いであげれば良いわけです。
ここで重要なのは「a boy」という名詞の代わりの役目も果たさなければ、後ろの文章が成立しないということです。
「a boy」に代わって入る代名詞としての働きを持ちながら、前と後ろの文章をつなぐ接続詞の役割も持つ。
言うならば、打者と投手の二刀流・大谷翔平のような存在といったところでしようか(いや、言い過ぎか 笑)。
そして、後ろから「a boy」を修飾する役目を果たします。
ちなみに、例文における「a boy」が先行詞となります。
関係代名詞の前にある(先行する)名詞なので、先行詞というわけです。
ここまでくると先行詞と関係し代名詞として入るので、“関係”代名詞と呼ばれることが理解できるでしょう。
今回はあくまでも、関係代名詞とは何かというさわりの説明であり、詳細な内容には触れていません。
ですが、これを感覚的に理解できないと関係代名詞の攻略は困難です。
最後に、ちょっとおさらいをしてみましょう。
He is a boy /「who」likes tennis.
先行詞は「a boy」です。
そして/の前後で二つの文章に分解できます。
①He is a boy.
「who」は「a boy」の代わりに置いたものなので、後半部分はこうなります。
②The boy likes tennis.
ちなみに、なぜ「A boy」ではなく「The boy」になるのでしょうか。
それは“彼は少年です”という文を受け2度目の登場となるので、特定の少年を意味し「The boy」となるからです。
正確を期すならば、②の文はThe boyではなくHeがくるのが正しいのでしょうが、“boy”を用いた方が分かりやすいと思い、例文のとおりにしました。
関係代名詞は理解するのも難しいですが、イメージさせるための解説も実に難しいですね。
自らの説明下手と相まって、つくづく実感した次第です(トホホ…汗)。